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【なぜ?】ウルルが登山禁止の理由とアボリジニーの歴史

オーストラリア
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オーストラリアの「ウルル(エアーズロック)」では2019年10月26日より全面的に登山禁止となりました。

▶【関連ニュース】「今月末から登山禁止の豪ウルル、列成す駆け込み客に批判噴出」

そしてこのようなニュースが話題になりました。ウルル登山禁止の直前に駆け込みでウルル登山に訪れる観光客が増加し、それがSNS上で批判を浴びています。そしてその中には日本人も多いそう。

オーストラリアの一大観光地であるウルルでの登山は実際にはルール違反ではないのですが、問われているのはモラルの問題のようです。かねてから日本人の観光の仕方に疑問があり、この問題はその典型的な行動のような気がしました。

今回はウルルがなぜ登山禁止になったのか、その理由とアボリジニーとの歴史背景についてご紹介します。

【なぜ?】ウルルが登山禁止の理由~アボリジニーとの歴史とは?~

ウルル(エアーズロック)の登山が禁止になった最大の理由は「アボリジニーの聖地」であるからです。ですが、オーストラリア先住民である彼らは白人の入植によって権利を奪われた歴史があります。

オーストラリア政府とアボリジニーの歴史

1万年ほど前にウルル周辺に住み着いたアボリジニー。彼らはウルルを聖地として崇め、表面にある穴やくぼみから精霊が宿ると信じてきました。

先住民であるアボリジニーはイギリスを中心とするヨーロッパ人の入植により土地を奪われ、植民地化していきます。

当時は白人による虐殺やヨーロッパ人が旧大陸から持ち込んだ伝染病により50万人から100万人ほどいたアボリジニは1920年には約7万人にまで減少したそう。 今ではアボリジニーの人口は徐々に回復し、1996年には約35万人になります。

【ウルル登山禁止の理由】アボリジニーの市民権とリース契約

そんな悲しい歴史を持つアボリジニーでしたが1967年にようやく市民権を認められます
そして土地の権利にも変化が起こります。

1976年にアボリジニ土地権利(北部準州)法が制定された際にウルルは対象から除外されていたため、1970年代後半からピチャンチャチャラ評議会及びセントラルランド評議会は法の改正を要求するロビー活動を展開した。その結果、1983年11月にホーク政権は法の改正とウルルの所有権を伝統的所有者に返却することを宣言した。そして1985年10月26日、ウルルの所有権はオーストラリア政府から本来の所有者であるこの地域のアボリジニ(アナング、Anangu)に返却され、同時に2084年まで一帯の土地を環境エネルギー省にリースされることとなった。ウルル周辺にもアボリジニの聖地がいくつかあり、許可無く立ち入った場合は罰金が科せられる。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

つまり、ウルルの土地所有権がアボリジニーに返却され、オーストラリア政府は2084年までリース契約料を支払って借りているという状態になりました。これがアボリジニーの貴重な収入源になります。

その後、政府はリース契約によってウルルの観光開発を行い、現在では多くの観光客が集まるオーストラリアの人気スポットとなりました。

そしてオーストラリア政府は観光業の一環としてウルルの登山が進めます。ですが、アボリジニーの間では一部の祭司以外は登山を認めていません。それでもウルル一帯を貸し出しているリース料などがアボリジニーの貴重な収入源でもあるため仕方なく認める形となります。

最終的には登山用の手すりまでがウルルに取り付けられました。

聖地としてのウルル

観光地として開発するオーストラリア政府と聖地としてみなすアボリジニー。実際はむやみに触れても欲しくないこの聖地ウルルで登山はご法度です。

日本でも神社やお寺は「神聖な領域」。その場所で外国人が好き勝手な場所に入って写真を撮っていたり騒いでいたらいい気持ちはしませんよね。これと同じようなことだと思います。

それから時は流れ、政府に主張を続けた結果、ここで改めてアボリジニー側の意見が尊重され禁止の方向へと進み、今回のウルル登山禁止へとつながります。

【ウルル登山禁止】歴史背景を知れば明確

自分がウルル登山禁止になる前にオーストラリアの観光ツアーに参加したとき、添乗員さんが「ウルル登山をオススメしません」と言っていました。現地の旅行会社によってそのような呼びかけはされているようです。

登山に関するニュースの中にはその中に日本人の観光客が多いとの情報もありました。オーストラリアやアボリジニーの歴史に疎いことから「聖地」と聞いても理解が出来ないかもしれません。

「展望スポット」という認識で行けばウルルの頂上に立って景観を見渡すことが観光のハイライトの一つではありますが、それ以上に「聖域」として知識を持つことも大事ですよね。

きれいな写真を撮ることも良いですが、それだけではないウルル観光の魅力を感じてもらえたらと思います。

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